▼ミニブログ |
2013年09月 |
12件中 1 - 10件目 (1/2) |
1 2 >> |
◆ツツイツウシン 1 |
2013/09/15 05:49:12 |
HANABI 9月8日。鉛色の分厚い雲が空一面を覆っている。 蝉の残党も、最期の死に際まで悲鳴にも似た音を一生懸命奏で続けている。 季節は夏から秋へ。 楽しかった夏の思い出はもはや遠い過去のように思える。 それでもその記憶は真っ黒に焼けた日焼け跡のように、心にびっちりと焼き付いている。 2カ月ぶりにキャンサーのメンバーがグラウンドに集まった。長袖のアンダーシャツを着てきている者もいる。そう思うと、だいぶ涼しくなった。 |
◆ツツイツウシン 2 |
2013/09/15 05:48:41 |
この日はキャンサーのメンバーが7人しか集まらず助っ人を集ったところ、中村の弟と早川の弟が駆け付けてくれた。 中村の弟は現役高校生。早川の弟は元野球部のキャプテン。非常に心強い助っ人だ。 感謝の気持ちと期待を込めて、早川の弟は3番バッターに、中村の弟は4番バッターに指名した。 そして前回の試合のMVP岡田は1番バッターに、緊急参加の駒形は9番バッターに。 1番 センター 岡田 2番 ピッチャー 吉田 3番 セカンド 早川 弟 4番 ファースト 中村 弟 5番 サード 早川 6番 ショート 庄村 7番 ライト 成松 8番 レフト 筒井 9番 キャッチャー 駒形 この日の試合相手はイップス。草野球のチーム名だけあって、キャンサーやらイップスやらそれぞれのチーム名から負のオーラがグラウンドに蔓延してしまいそうだ。 |
◆ツツイツウシン 3 |
2013/09/15 05:47:52 |
降ったり止んだりの雨模様の中、キャンサーの後攻で試合が始まった。 マウンドへ上がるは吉田。 まさかの中2ヶ月の登板間隔。プロ野球では登板間隔は中4日程度であり、中2ヶ月とは考えられない登板間隔だ。 それもあってか、吉田は持ち味の制球力を欠き、ランナーをスコアリングポジションに進めてしまうが要所を抑え、1回のイップスの攻撃を0点に抑えてみせた。 |
◆ツツイツウシン 4 |
2013/09/15 05:47:19 |
1回裏、1番岡田。 試合が始まったばかりでまだキャンサーベンチが営業時間前の飲食店のような静寂感に包まれてる中、岡田が初球を思い切り叩いた音に皆一斉に反応した。 鋭い打球ではあったが、センターの守備範囲内に飛んでしまい1アウト。 しかし、キャンサーベンチの立ち上がりにスイッチを入れてくれたような打球であった。 2番吉田。 長身の相手ピッチャーの球に動じることなく、ファールや選球眼で淡々と自分のペースへと持っていく。 そして外角に入ってきた球を上手く合わせ、レフト方向へとライナー性の打球を打ち返した。 ショートの頭を越したところで誰しもがヒットだと予感した瞬間、レフトがダイビングキャッチ。 あらかじめ前進守備をしていた相手レフトにしてやられる形になった。 2アウトとなり、バッターボックスに入るは3番早川弟。 その優しそうな笑顔から早川の弟だと簡単に推測がつく。 笑顔とは裏腹に豪快なスウィングを見せるも、セカンドゴロに打ち取られこの回3人で攻撃を終える。 |
◆ツツイツウシン 5 |
2013/09/15 05:46:40 |
2回表のマウンド吉田、四球とヒットが重なり1アウト1、3塁とピンチとしてしまう。先制点を奪われたくない場面だ。 しかしその吉田のストレートをバッターはセンターへと打ち上げた。飛距離は十分。タッチアップだ。 センター岡田は打球の落下点を見極め、助走をつけながら捕球をした。それを見てサードランナーはスタートを切った。 助走の勢いそのままに岡田はレーザービームを本塁へと投げ返した。ワンバウンドでドンピシャにキャッチャーのグラブへと吸い込まれる送球。サードランナーにスライディングさせることもなく、補殺を決めてみせた。 ピンチを己の強肩で救ってみせた岡田。岡田の身体能力の高さはキャンサーでは群を抜いている。 いい流れをこのまま攻撃へと繋げたい。 |
◆ツツイツウシン 6 |
2013/09/15 05:46:04 |
2回裏キャンサーの攻撃。 バッターボックスへ入るは中村弟。 弱冠18歳。あどけなさがまだ残る表情とは裏腹にその後ろ姿には兄貴譲りの頼もしさも宿していた。 期待を寄せる打席となったがあえなくレフトフライに打ち取られてしまう。 続く早川も兄貴の威厳を見せつけられず、センターフライとなる。 2アウトとし、バッターボックスに入るは庄村。 今シーズン好調をキープしており、その眼差しからは首位打者への野望がひしひしと感じられる。 初球を叩くも鋭い打球はサード線へのファールとなった。 「さっそく散らかすねぇ!」 キャンサーベンチから野次が飛ぶ。 そんな味方からの野次に動じることもなく、庄村は集中を極めていた。 ピッチャーの投じた甘い球を見逃さなかった。 |
◆ツツイツウシン 7 |
2013/09/15 05:45:35 |
弾き返した鋭い打球はサードの頭上を越え、レフト線へと抜けていった。 それを見た庄村はぐんぐんスピードを上げ、ダイヤモンドを駆け巡る。 「うおー!走れ!走れ!」 ベンチから飛び出したメンバーが腕をぐるぐると回しながら声を荒らげる。 懸命に走る庄村。 3塁ベースを蹴った。 送球よりも速く庄村は本塁を駆け抜けた。 生涯初というホームランに運動会で一等賞をとった子どものように飛び跳ねて喜んだ。 皆もそれを讃えた。 庄村は夏の終わりに一発の花火を咲かせてみせた。 勢いそのままに追加点と行きたいところだったが、後続が続かず1点に留まった。 それでもこの一発の先制点は大きい。 |
◆ツツイツウシン 8 |
2013/09/15 05:44:39 |
3回表もピッチャー吉田は制球に苦しむも、持ち前の粘り強さで0点に抑えてみせる。 3回裏キャンサーの攻撃。 先頭は駒形。意外性のある男だ。 試合前、絶対打てないからと呟いてた男が打ち返した打球は三遊間を抜けてき0アウトで出塁を果たした。 そしてこの回から遅れて登場した欠端が10番目の打席へと入る。 ジムに通い鍛え上げている腕っ節の強さを発揮するもショート正面になり、危うくゲッツーとなるところだった。 その後0アウト1塁のチャンスを活かせることなく、チェンジとなる。 |
◆ツツイツウシン 9 |
2013/09/15 05:43:31 |
4回表、死球を与え盗塁とワイルドピッチであっという間に3塁に駒を進められ同点のピンチとなる。 そしてバッターが打ち返した打球にエラーを喫し、中盤にして試合を振り出しに戻されてしまう。 1対1のまま迎えた5回裏キャンサーの攻撃。 先頭の成松、筒井がともに四球を選び0アウト1、2塁と絶好のチャンスを作る。 続く駒形はレフトフライを打ち上げてしまうが、続く欠端が力でレフト前へと運び、1アウト満塁とチャンスメイクをした。 ここで満を持して打席に入るはキャンサーのホームランアーティスト岡田。 「昨日も試合して、明日も試合だよ」 試合前こんなことを呟いていた。それほど多くのチームから岡田は引っ張りだこなのである。お墨付きの野球センスの持ち主だ。 その岡田のただならぬ雰囲気を感じ取ったか、相手ピッチャーは引け目を感じ、押し出しの四球になる。 思わぬ形で追加点を上げることが出来た。 続くチャンスをものしたかったが後続が断たれ、2対1とし最終回の相手の攻撃を迎え撃つ。 |
◆ツツイツウシン 10 |
2013/09/15 05:42:00 |
最終回マウンドへ上がるは、ハマのリーサルウェポンこと欠端。 前回の試合でまさかの大炎上を喫し、このマウンドは名誉挽回の機会でもあった。 並々ならぬ気合が暴走し、チェンジアップがマウンドとホームプレートの真ん中でワンバウンドするという場面もあったが、難なくきっちりと相手打線を封じてみせ2対1でイップスを降した。 久しぶりの試合ではあったが、庄村のホームランもあり締まった試合展開となった。 これから秋が深まり、野球のしやすい季節となる。 そしてあっという間に冬がやってくるのもわかっている。 今シーズン、悔いを残さないために一球、一打席を大事にプレーしていきたい。 |
12件中 1 - 10件目 (1/2) |
1 2 >> |
チームトップページ |
Copyright© since2011 MomongaNet!. |